デンマークのデザインスクール(CIID)の研究部門って何をしているところなの?

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デンマークのデザインスクール(CIID)の研究部門って何をしているところなの?

いよいよ出国まで10日と日程が迫ってきました。

最近出会う人によく「何を研究しにいくの?あれ、専門はマテリアルだよね?」といった事をよく聞かれます。

今回はCIIDの研究部門についてHPの情報と見学体験を元に簡単に紹介します。



デザインスクールの研究部門について

私の留学先であるCIIDは下の記事でも紹介した様に教育部門、研究部門、コンサル部門からできています。

About CIID
Copenhagen Institute of Interaction Design(CIID)の概要についてまとめました。

デザインスクールという言葉自体がまだ普及していないのが実情かと思います。各大学により定義は違いますが、デザインスクールはグラフィックやプロダクトデザインに限定された話ではなく、問題可決手法としてデザインアプローチを活用する方法を身につけるための教育をする場です。2年のカリキュラムが多く、MBAのプログラムに組み込まれているものや、よりデザインに特化した教育をしている大学もあります。CIIDの場合はIDP(Interaction Design Program)という形式で一年間かけて学習することができます。

このあたりの定義や選択肢については下の記事で私より遥かに整理されてまとめられていました。Design Schoolへの進学を考える人や強い興味を持った人には必読の記事かと思います。

Dスクール進学の上での選択肢
Design Schoolの内容や具体的な選択肢についてまとめられています。

そういった意味では研究部門を別途所持しているCIIDは少し変わっている様に思います。下に研究部門のHPを紹介します。

Copenhagen Institute of Interaction Design » Research
CIIDの研究部門の公式ページ、プロジェクトやメンバー、パブリケーションの情報を見ることができます。

何をしようとしているところなの?

はじめにCIIDのHPから引用します。

Research at CIID is broadly defined. We aspire to break the boundaries of current thinking in the design and use of people-centered, creative, and advanced technologies.

どうやら定義が広いようです(いきなり釘をさされてしまった・・・)。方向性としてはは現在のデザインの考え方, People-centered, クリエイティブ, 応用技術の垣根を壊すことを考えているようです。

さらに読み進めていくと次の4つの領域に注目しています。

 

  • Cultural Contexts
  • Ageing & Wellbeing
  • Urban Computing
  • Learning & Education

 

 

一つ興味深いのは研究室の興味対象・注力領域をこの様な形で表すのは珍しいと感じました。なぜなら私がこれまでみてきたいわゆる理工学分野の研究室では通常は興味対象は下の様に表されます。

  • ◯◯材料の・・・構造とその光応答性について
  • ーーー現象の・・・手法による解析
  • ☓☓を実現するための◯◯の開発

もちろん例外はあるでしょうが、かなり具体的なHowに踏み込んでいるケースが多く、それにより自身がもつ技術的専門性を提示しています。

一方でCIIDの研究部門では取り組む領域こそ指定されていて大きなビジョンは掲げられていますが、具体的な部分は見えにくいという印象を感じました。

もう少し読むとさらに興味深い一文がありました。

Our research follows a set of continuously revised themes, put into practice through funded research, consortium, experimental projects and technology development initiatives.

つまり彼らの研究はテーマ自体を常にReviseしながら進めていくのです。これはまさに教育分野で行っているアプローチと同様の精神かと思います。

さらに読み進めていくと次の様なことが書かれていました。

CIIDの研究所では上に上げた4つの大きな課題に対して、彼らの有するデザイン的なアプローチで取り組むことで、

 

  • 技術的なポテンシャルを見極めたり、
  • よりクリティカルなものの見方を得たり、
  • ネットワーキングを広げたり、
  • アカデミックのコミュニティにその考えを提示すること

 

を目的にしているようです。

向こうにいってから行うこと

ここで最初の問に戻ります。私はマテリアル分野のエンジニアですが、このデザインアプローチを取り入れた研究スタイルが今後より重要になると考えています。

CIIDに参加してからは、実際に彼らと一緒にプロジェクトを行うことで、このデザインアプローチを取り入れた研究方法を学びたいと考えています。

具体的には人々が重要と考える問題を発見し、それを技術の課題に落とし込み、実際にプロトタイピングを通じて周囲を巻き込む力を伸ばしていきたいと思っています。この様な能力を伸ばすことが、技術シーズをイノベーションにつなげる一助になるのではないかと思っています。

CIIDの研究は基本的にオープンなので向こうに行ってからはより具体的な研究例を紹介できればと考えています。

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